睡眠の質 食事【精神科医が解説】眠れない・眠りが浅い原因と食事で改善する方法
「眠れない」の原因が食事にあることがある
眠れない、眠りが浅い——という悩みを抱える人が診察室に来たとき、薬の話をする前に必ず確認するのが「食事・カフェイン・アルコール」です。
睡眠の質は、何をいつ食べるかに大きく左右されます。
食事と睡眠の関係:基本的なメカニズム
睡眠ホルモンの材料となる栄養素については、睡眠と栄養の関係でトリプトファンを含む食品も含めて詳しく解説しています。
睡眠の質に関係する食材
トリプトファンを含む食材
- 乳製品(牛乳・チーズ・ヨーグルト)
- 大豆食品(納豆・豆腐・豆乳)
- 肉・魚(鶏むね肉・マグロ・サバなど)
- 卵
- ナッツ類(くるみ・アーモンド)
- バナナ
マグネシウムを含む食材
マグネシウムは筋肉の弛緩・神経の落ち着きに関与し、睡眠の深さに影響するとされています。
- 緑黄色野菜(ほうれん草・ブロッコリー)
- 豆類
- ナッツ・種子類
- 玄米・全粒穀物
睡眠の質を下げる食事・習慣
カフェイン(前述)
コーヒー・緑茶・エナジードリンクに含まれるカフェインは、摂取後5〜7時間経っても体内に残ります。夕方以降の摂取は睡眠の質を下げる可能性があります。
夕食の食べすぎ・遅い時間の食事
夜遅い時間に食べすぎてしまう習慣がある方は、夜のドカ食いの原因と仕組み化による対策も合わせて見直すと、睡眠への影響を減らしやすくなります。
アルコール
「お酒を飲むと眠れる」という感覚はありますが、アルコールは睡眠の質を低下させます。
入眠を促す作用はありますが、後半の睡眠(レム睡眠・深睡眠)を阻害し、眠りが浅くなる・途中で目が覚めるという影響が生じます。
高糖質の夕食
どうしても小腹がすいて眠れない夜は
「空腹で寝つけない」というとき、我慢して横になっても、かえって目が冴えてしまうことがあります。そんな夜は、眠りを妨げにくい軽いものを少量だけ摂るほうが現実的です。
向いているもの(少量・消化が軽いもの):
- ホットミルク・無糖ヨーグルト(トリプトファンを含む)
- バナナ半分
- 具の少ないみそ汁・スープなど温かい汁物
- 素焼きのナッツをひとつかみ
避けたいもの:
- スナック菓子・菓子パン・甘いもの(血糖値が乱れやすい)
- 揚げ物・ラーメンなど高脂質のもの(消化に時間がかかる)
- カフェイン入りの飲み物(ココアにも微量含まれます)
「眠れない」と「眠りが浅い」では見直すポイントが違う
「眠れない」と「眠りが浅い(夜中に目が覚める・熟睡感がない)」は、主に関与する食事要因が異なります。
入眠困難(なかなか眠れない)が主な場合 カフェインのカットと夕食のタイミングを優先して見直す。夕方以降のカフェインが覚醒を維持し、就寝直前の食事が消化活動を活発にします。この2点が入眠に影響しやすい。
夜中に目が覚める・眠りが浅いが主な場合 アルコールと高糖質夕食の見直しを優先する。アルコールは睡眠後半のレム睡眠を乱し、高糖質夕食は血糖値の変動が覚醒につながることがあります。
両方気になる場合 カフェインとアルコールの両方から手をつけると変化を感じやすい。どちらかだけ変えても効果が出にくい場合はもう一方も合わせて見直す。
「眠れない夜」に食事から変える
「睡眠薬より先に試せること」として、食事改善は現実的な選択肢です。
- 夕方14〜15時以降のカフェインをカットする
- 夕食を就寝2〜3時間前に済ませるようにする
- 夕食に乳製品・大豆食品・魚を入れてみる
- 揚げ物・高脂質の夕食を減らす
- 寝酒をやめる・週3日以下にする
夕食の仕組みを整えることが睡眠改善の第一歩
「遅い帰宅→コンビニで何でも買って食べる」という夕食パターンが続くと、睡眠の質を下げる食事(高糖質・高脂質・遅い時間)が習慣化しやすい。
夕食を「計画できる状態」にしておくこと——冷凍宅食のストックや、献立が決まった食材宅配——が、睡眠の質改善への間接的なアプローチになります。
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夕食の食材を毎日届けるミールキット。献立と食材が決まっているので、帰宅後にすぐ調理できる。
夕食時間を整えることが睡眠改善につながった事例を、外来で観察することがあります
- その日使う分だけ届くため食材ロスがない
- 夕食の準備時間を短縮
- タンパク質・野菜バランスの取れたメニュー
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わんまいる(健幸ディナー)
湯せんで5分、手作りおかずが食卓に。帰宅が遅い日でも、ちゃんとした夕食を用意できる。
遅い帰宅後に消化の負担が少ない夕食を用意できると、睡眠への影響が変わることがあります
- 5品のおかずが個別パックで届く
- 添加物不使用・素材にこだわった味
- 湯せん5分で準備完了
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まとめ
- 食事→トリプトファン→セロトニン→メラトニン→睡眠という流れが存在する
- 睡眠の質を「上げる食事」より、「睡眠を妨害する要因を取り除く食事」の方が実感を得やすい
- カフェイン・遅い夕食・高糖質・アルコールが睡眠の質を下げる主な食事要因
- 夕食の仕組みを整えることが、睡眠改善への間接的な第一歩になる
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※ この記事の内容は精神科医の臨床的見解に基づくものです。個別の症状については医師にご相談ください。