産後にごはんが作れない・もう限界なとき【精神科医が解説】無理をしない食事の選択肢

「もう、ごはんが作れない」

赤ちゃんが寝た数十分のあいだに、自分のごはんを作る気力もわかない。

買い物に行くのもつらい。冷蔵庫を開けても、何をどう作ればいいのか頭が回らない。「ちゃんとしなきゃ」と思うのに体が動かず、「私はダメな母親かもしれない」と自分を責めてしまう——。

もし今そんな状態なら、最初にお伝えしたいことがあります。産後にごはんが作れないのは、当然のことです。甘えでも、怠けでもありません。


産後にごはんが作れないのは「当たり前」のこと

出産は、交通事故に匹敵するほど身体に負担がかかる出来事だと言われることがあります。その回復の途中で、しかも睡眠を細切れにしか取れず、24時間体制で赤ちゃんのお世話をしているのです。

このような状況で、妊娠前と同じように料理ができないのは、むしろ自然なことです。


「もう限界」という言葉が出たら、まず知ってほしいこと

ここで、宅食などの具体策よりも先に、どうしても伝えておきたいことがあります。

ごはんが作れないことは、こうしたサインの一つでもあります。だからこそ、まず食事の負担を「自分以外の力」で減らしていくことを考えてみてください。


食事の負担を「自分の外」に出す3つの方法

産後の食事は、「自分が頑張って作る」前提を一度手放すことが大切です。負担を外に出す方法を、現実的な順に挙げます。

① 作らない——宅食・冷凍弁当・テイクアウトを使う

もっとも直接的なのは、「作る工程そのものをなくす」ことです。

宅食や冷凍弁当なら、買い物にも行かず、温めるだけで一食が用意できます。これは手抜きではなく、休む時間を確保するための合理的な手段です。産後や忙しい時期に宅食を取り入れる考え方については、別記事でも詳しく触れています。

② 頼る——パートナー・家族・自治体の支援を使う

「自分でやらなきゃ」を緩めて、人に頼ることも立派な選択です。

  • パートナーに買い出し・食事の用意を具体的に頼む
  • 親や家族に数日だけでも来てもらう
  • 自治体の 産後ケア事業・産後ヘルパー・配食サービス を調べる

多くの自治体には、産後の家事・育児を支援する制度があります。お住まいの市区町村の窓口や保健センターに一度問い合わせてみてください。

③ 完璧をやめる——「食べる」ことを最優先にする

栄養バランスの整った食事を毎回用意できなくても、まったく問題ありません。

おにぎり、パン、果物、ヨーグルト、レトルト——手に取れるものを食べれば十分です。栄養が多少偏っても、「作らないより食べる」「食べないより食べる」を優先してください。

特に授乳中は、水分をこまめに取ることと、何かしら口にして栄養を補うことが大切です。長く食事が取れない日が続くときは、産婦人科や助産師に相談してください。

なお、産後はストレスから食べすぎてしまう時期もあります。食べすぎてしまう自分を責めてしまうときの考え方も、よければ参考にしてください。どちらの場合も、自分を責めないことが回復の出発点になります。


無理をしないための「選択肢」としての宅食

ここからは、「作る工程を減らす」具体的な手段として、宅食サービスを控えめに紹介します。あくまで負担を軽くするための選択肢の一つであり、合わなければ使わなくて構いません。

買い物と調理の工程がなくなるだけで、その時間を横になって休むことに充てられる場合があります。

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どちらも「毎日必ず使う」必要はありません。つらい日だけ頼る、というくらいの距離感で十分です。


まとめ

  • 産後にごはんが作れないのは、ホルモン変化・睡眠不足・身体の回復負担による自然なこと
  • 「もう限界」「消えてしまいたい」が2週間以上続くなら、産後うつの可能性があり、早めの相談を
  • 食事の負担は「作らない・頼る・完璧をやめる」で自分の外に出してよい
  • 宅食はあくまで無理をしないための選択肢の一つ

今あなたが感じているつらさは、頑張りが足りないからではありません。回復のために、まわりの力を遠慮なく使ってください。


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※ この記事の内容は精神科医の臨床的見解に基づくものです。個別の症状については医師にご相談ください。